令和5年度山形県公立高校入試問題難易度

◎令和5年度の山形県公立高校の入試問題についての雑感

 今年の入試問題は英語以外の科目は選択問題の選択肢が増えており、しっかり問題を理解した上で解く必要がある問題になりました。国語が昨年並み、数学は昨年よりかなり難しく、社会は昨年よりも難しく、理科も難しく、英語が昨年並みだ思います。全体的に難しくなった問題だったと思います。合計の平均点数が下がるはずです。

 

◎国語

 大問1は問7の6択中2択選ぶ問題が新しい問われ方で、2択とも完答するには若干難しかったと思います。大問2は例年並みと思います。大問3の古文は1問だけ問題が増えましたが、例年並みの易しい問題だと思います。大問4の問1の漢字も例年より易しく、問2も簡単だったと思います。作文は、わかりやすいテーマでしたので、書きやすかったと思います。そのため、全体的には昨年と同じくらい平均点になると思います。

 

◎数学

 今年の数学は昨年よりかなり難しい問題になっています。大問2は、確率以外は難しい問題でしたので、ここで時間がかかった人が多かったのではないかと思います。大問3は図形の重なりの問題ですが、最後の問題以外は比較的わかりやすい問題だったと思います。大問4は証明が難しく、最後まで問題を解くには時間が足りなかったと思います。

 

 大問1では、4年ぶりに因数分解を利用した式の値の求め方が出ました。因数分解せずにそのまま代入しても、計算が大変ですが、値は求められたはずですので、だいたいの方は解答できたと思います。大問1の4の箱ひげ図の問題は、選択肢の形式が大学共通テストの選択形式をまねた作りになっているのが新しいです。①と②の内容は簡単に判別できますが、③の内容は、第三四分位数が酒田市の値が21℃より小さいので、酒田市の方が21℃以上の日数が少ないことが分かれば正解のエを選択できたと思います。大問1の5の投影図の問題も変わった問題でしたが、だいたいの方はできたと思います。箱ひげ図以外はできていないと、今年は非常に厳しい結果になると思います。

 大問2の関数の応用問題は2次関数がなく、比例と反比例の問題でした。大問2の1の(1)の問題はここ数年、基礎的な問題でしたが、今年は図形の性質を使って座標を決める問題となっており、難しくなりました。大問2の1の(1)は点B、Cの座標から正方形の1辺の長さが4であることがわかるので、点Aの座標が(3,2)となり、この点を反比例のグラフが通るので、そこから求めることができます。大問2の1の(2)は比例のグラフの比例定数の範囲を求める問題で、平成25年度の入試で二次関数の問題で同様な問題が出題されていますが、何をしてよいかわからなかった人が多いと思います。大問2の1の(2)は比例定数の値が、比例のグラフが点Bを通るとき、最小になり、点Dを通るとき、最大になることに気づけば、解けたと思います。大問2の2の確率の問題は易しく、説明もそのまま書けばよいので、ほとんどの方ができたと思います。大問2の3の文章題は難しい方の問題だと思います。ドーナツの個数を求める問題ですが、ドーナツの個数をそのままx個とすると、式を作るのは難しくなるので、商品AとBの箱の数をそれぞれx,y箱におく必要があります。また、連立方程式を解いた後に、もう一度ドーナツの個数を求める必要があります。文章題を完答できた方はあまり多くはないと思います。大問2の4の作図の問題は、条件1の∠BCDの二等分線を引けた方は多いと思いますが、条件2が、何をかいてよいかわからなかった人が多かったと思います。∠BADの半分になるので、∠BADを中心角になるようにすればよいと気づけば、点Aに針をさし、コンパスの幅を点B(D)まで広げて円をかき、∠BCDの二等分線との交点をPとすればよいます。今年の作図は円周角の性質を使うので、できた人は少なかったと思います。今年の大問2は1の(1)と文章題ができないと70点以上にはなりませんので、数学で高得点を取れた方は例年よりかなり少ないと思います。

 今年は大問3の図形の重なりの問題は、令和2年度の問題より、重なり方が単純だったので、できた方が多いと思いますが、最後の2の問題は難しいので、解いた方はほとんどいないと思います。大問3の2の問題は、BRの長さをxcmとする(以降cmは省略)と、QBの長さが9-xとなり、四角形FQBAが平行四辺形になるので、PAの長さも9-xとなります。PSの長さが5だから、BRの長さが、5-(9-x)=x-4と表されます。また、平行四辺形PQBAと平行四辺形DCRSは合同になり、台形ABRSを含めて、直線ℓ上にある辺を底辺とすると高さが、すべて2となるので、次の等式ができます。台形ABRSの面積が平行四辺形PQBAの2倍になるという方程式をつくると、(x+x-4)×2÷2=2×(9-x)×2 となり、これを解いてx=20/3を求めることができます。時間をかけて考えれば、できたと思いますが、時間が無くて解けなかった人が多いと思います。

 大問4の1の証明問題は平成30年度以来5年ぶりに円がない合同の証明でした。直角三角形の合同を証明する問題でしたが、直角三角形の合同条件を使わず、通常の三角形の合同条件をつかう証明でした。仮定のAC=CDは誰でも書けたと思います。次に、AC//EDで同位角が等しいので、∠ACG=∠BDE=90°となり、∠CDE=∠BDE=90°となるから、∠ACG=∠CDEを導きます。最後に、∠CAG=∠DCEを証明するために、△AFCが直角三角形であることを利用する必要があったので、難しかったと思います。ここに気がつけば、完答できたと思います。大問4の2の(1)は、△AGC≡△CEDを利用してCD=AC=10cmとなり、BC=15cmから、BD=BC-CD=5cmとなることに気づければ、△BDE∽△BCAの関係からDE:CA=BD:BCとなり、この比例式から正解が求められます。時間があれば、解けた方はそれなりにいたと思いますが、時間が無くて、解かなかった人が多いと思います。大問4の2の(2)は今年も数学で最も難しい問題で、できた人はほとんどいなかったと思います。平成30年度にも同様な問題が出ていますが、そのときよりも、難しい問題だと思います。

 以下、大問4の2の(2)の解説ですが、非常に複雑なので、どうしても解きたい人だけ読んでください。また、実際計算をすると、多少複雑な平方根の計算が必要になりますが、ひるまず、計算してください。

点FからACへ垂線をひき、交点をHとします。線分FHの長さが、求める立体の半径になります。求める回転体は上下の円錐を合わせた立体です。線分FHの長さを求めるのが非常に複雑です。△CEDが直角三角形でEDとCDの長さがわかっているので、三平方の定理より、CEの長さを求めます。次に、△CDE∽△AFCになっていることに気づけば、CD:AF=CE:ACより、AFの長さを求めます。さらに、△AFH∽△AGCから、FH:GC=AF:AGとなります。ここで、GC=ED,AG=CEであるから、FH=3を求めることができます。ここから、π×3×3×10÷3=30πを求めることができます。尚、上下の円錐を合わせた立体の体積を求める際、上の円錐の高さと下の円錐の高さを合わせて計算できることを知っていないと計算できません。

 

 今年は大問2の1の関数の応用の(2)と4の作図、大問3の関数の利用の右側の問題、大問4の最後の問題が解けていない場合で82点となりますが、文章題と証明が完答する必要があるので、今年は70点以上とれた方はかなり少ないと思います。平均点は昨年より10点近く低くなると思います。

 

◎社会

 今年の社会は地理と歴史前半が昨年より難しくなりました。

 今年の世界地理は、フランス、カナダ、ペルー、タイの4か国の問題でした。大問1の2の(1)はフランスの資料を選ぶ問題でしたが、フランスとカナダは先進国で1人あたりの国民総所得が高いことに気づけば、イとエに絞られ、面積が狭いイが正解と導けます。2の(2)は人口密度が最も高い国を選ぶ問題でしたが、人口の値を面積の値で割ったを求めればよいのですが、今回は、実際計算しなくても、人口が最も多く、面積が最も小さい国のウで、日本への輸出額が多いことからDのタイが正解となります。ウがタイであることがわからないと答えられませんので、できなかった人は多いと思います。大問1の3はヨーロッパは北大西洋海流が南(低緯度)から北(高緯度)に流れて、偏西風の影響で、高緯度なのに温暖な気候になっていることを知っていれば、キを選べたと思います。大問1の4はカナダと日本の輸入相手国を選ぶ問題でしたが、カナダの最大の貿易相手国は隣国のアメリカだとわかれば、日本の最大の貿易相手国が中国であることはわかっていたと思いますので、できたと思います。大問1の5は「スペインの植民地」としなくても、「ヨーロッパの国の植民地」という内容であれば、正解になるはずです。大問1の6の(1)の「二期作」は覚えていた人は書けたと思いますが、忘れていた人が多かったと思います。大問1の6の(2)のeは「消費される割合が低い」という内容であれば、正解ですが、どう書いたらよいかわからなかった人が結構いたと思います。世界地理は、昨年よりは難しくなっています。今年の日本地理は大問2の2の(1)の資料問題は特に難しく、大問2の3の(1)の等高線から標高差を求める問題も難しかったと思います。大問2の2の(1)の資料問題は、米の産出額と果実の産出額が高いイが山形県で、野菜の産出額と果物の産出額が高いアが長野県、果実の産出額が特に高いウが山梨県とわかりますが、残りの鳥取県と栃木県の違いが分かりにくかったと思います。鳥取県に比べ、栃木県の方が面積が広く、人口が多いので、農業全体の産出額が高そうと考えて、オを選ぶしかないと思います。栃木県が畜産の産出額が高いと習った人はほとんどいないと思います。ちなみに、2019年の資料で、栃木県の畜産の産出額は全国7位です。記号と県名が完答の問題なので、正解した人は少ないと思います。大問2の3の(1)の等高線から標高差を求める問題は、b地点の標高を求められれば、できました。a地点の標高はすぐ近くに1400の数字があるので、1400mと分かりますが、b地点の標高は地形図IIの右側にある1510の数字より主曲線(実線の細い方)4つ分40m上にあるので、1550mと分かれば、標高差が150mのイを選ぶことができます。25000分の1の地形図で、主曲線1つ分が10mであることを覚えていれば、できたと思います。日本地理も昨年より若干難しくなっていると思います。今年の地理は25点以上とれていればよい方だと思います。

 今年の歴史は前半の大問3は昨年よりさらに難しくなりました。大問3の1の(1)の3世紀を西暦で表す問題ですが、200年~299年か201年~300年かで迷った人が多いと思います。正解は201年~300年です。歴史の教科書の一番最初の方に書かれている内容で、覚えていた人は少なかったと思います。大問3の2の(1)の8世紀の出来事を2つ選ぶ問題ですが、「奈良に平城京がつくられた。」の記述から奈良時代の出来事を選べばよいのですが、2つとも正解を選んで完答する必要がありましたので、できた人はそれほど多くないはずです。大問3の3の「土倉や酒屋が何を行っていたか」という問題ですが、資料の徳政一揆の内容から「お金を貸すこと」や「高利貸し」という内容であれば正解です。今までにない問われ方をしていますので、できなかった人が多いと思います。大問3の4の(1)の17世紀につくられた文化財を選ぶ問題ですが、「17世紀後半、江戸、大阪、京都の3つの都市が大きく発展した」という記述から、江戸時代前半であることが分かれば、元禄文化で、菱川師宣の見返り美人図のアを選べたと思いますが、江戸時代後半の化政文化の葛飾北斎の浮世絵のエとした人も結構いたと思います。歴史の後半の大問4は比較的易しい方の問題でした。大問4の6の並び替え問題と7のパリ協定が若干難しかったかもしれません。歴史前半は相当歴史が得意な人でないと高得点は望めません。今年の歴史も25点以上とれていればよい方だと思います。

 公民も昨年に比べると易しくなりました。大問5の2の(2)の裁判員裁判が行われる裁判所を選ぶ問題が、若干正解者が少ないと思います。大問6の1の(1)は需要曲線と供給曲線の関係を理解していた人はできたと思いますが、正解者は半分未満だと思います。大問6の1の(2)は寡占状態で消費者の不利益を記述する問題ですが、「競争」と「購入」の語句を使わなければならないので、「価格競争が弱まり、購入するとき価格が高くなる。」という内容であれば正解ですが、「購入」の語句の使い方が難しかったかもしれません。尚、語句指定問題ですので、「競争」と「購入」の両方が使われていないと不正解となります。大問6の3の(2)は今まで出題されたことのない問題ですが、どちらかというと国語で出題されるようなの問題なので、できた方は多いと思います。

今年の公民は24点以上とれていればよい方だと思います。

 今年の社会は社会の得意な方は70点以上とれた方がそれなりにいたと思いますが、80点以上はあまりいないのではないかと思います。平均点は昨年より低く、平成30年以前並みなると思います。

  

◎理科

 今年の理科は、化学の計算問題と物理の浮力の求め方、特に凸レンズの問題は難しかったと思います。

 大問1の2の(2)の光合成に光が必要かどうか確かめる実験のやり方を問う問題ですが、試験管Aと同じ条件にして、光だけ当てないようにすればよいのでイが正解になります。試験管Bの図を見て、カを選んだ人が結構いたと思います。大問2の1の(1)の栄養生殖は覚えていなかった人が結構いたと思います。大問2の3の(1)は丸い種子の純系のめしべの胚珠の中の卵細胞なので、生殖細胞内の染色体は半分になっていることに気がつけば、アとイのどちらかになると分かります。丸い種子の純系なので大文字のAとなり、アが正解となります。遺伝の仕組みをしっかり理解していないと解けない問題でした。大問2の3の(2)もメンデルの法則をしっかり理解していないと丸としわの比率の3:1を選んだ人が結構いたと思います。遺伝子の組み合わせの比率なので、AA:Aaの比率は1:2となり、オが正解となります。生物はしっかり理解していた人はほぼ完答できる内容でした。

 大問3は堆積岩と化石の問題でした。大問3の3の砂と泥の沈み方に違いを説明する問題でした。解答例の「砂が泥より速く沈む」以外で、「粒の大きい砂の方が速く沈む」「粒が小さい泥の方が沈みにくい」などでも正解になります。「砂」か「泥」を書かないと減点されるかもしれません。大問4の2は気象現象や大気の大きな動きが起こる高度と地球の半径を選ぶ問題でした。地球の半径は間違えなかったかもしれませんが、気象現象や大気の大きな動きが起こる高度が約10000m程度で10kmであることは覚えていなかった人が多いと思います。正解はアですが、ウを選んだ人も結構いたと思います。大問3の5で、珍しく巻積雲が出ていましたが、よく見る寒気と暖気のモデルで、正解のウを選んだ人は多かったと思います。

 大問5の酸とアルカリの問題ですが、イオンの問題は基本的な問題でできた方が多かったと思いますが、大問5の4の薄めるのに必要な水の量を求める計算問題は難しかったと思います。加える水の質量をxgとすると、もともと入っていた塩酸の質量が10×0.35=3.5gで、これを水溶液の質量(10+x)で割って100倍すると2%となる方程式3.5÷(10+x)×100=2を解けば、x=165を求めることができます。大問6の酸化銀の分解の問題ですが、大問6の1の酸化銀の色を覚えていたかが問われました。分解してできた銀は白色と分かるはずなので、酸化銀は選択肢イの黒色か選択肢エの赤色になります。赤色の化合物は中学校では出てこないので、黒色だと判断すれば、正解のイが導けます。大問6の2の酸化銀の分解の化学反応式は、係数に4が出てくると覚えていれば、正解のエは簡単に選べたと思います。大問6の3の酸化銀を4.00gにしたときの発生した酸素の質量は、表から酸化銀2.00gのときの発生した酸素の質量が2.00-1.86=0.14gなので、2倍の0.28gは求めることができた人は多いと思います。大問6の4の酸化銀の加熱が不十分だったときの銀の質量を求める問題ですが、未反応の酸化銀を求めるのであれば、酸化銅や酸化マグネシウムの問題でやったことがあると思いますが、生成した銀の質量を求めるので、何をしたらよいかわからなかった人が多いと思います。解き方は、発生した酸素の質量が5.00-4.72=0.28gとなることから、0.28gの酸素が発生する酸化銀は先ほど求めた酸素の質量と同じことに気がつけば、酸化銀は4.00gとわかります。この4.00gの酸化銀から銀は何gできるかを求めればよいので、表から酸化銀2.00gのときの生成した銀が1.86gなので、2倍の3.72gが正解となります。計算自体は難しくありませんが、できなかった人が多いと思います。

 大問7の浮力の問題は3のばねののびから浮力を求める問題は難しかったと思います。大問7の3の解き方は、空気中でおもりをつるすと0.5Nで17.5cmのびるので、おもりを水に完全に沈めたあとのばねののびが15.4cmとなるから、のびが2.1cm短くなります。この短くなった分のばねののびの力が浮力になるとわかれば、浮力をxNとすると、比例式x:0.5=2.1:17.5を解いて、x=0.06Nとなり、正解のイが求められます。大問7の4のおもりを水に完全に沈める前後の電子てんびんが示す値の変化を選ぶ問題ですが、浮力と勘違いして、ウを選んだ人が結構いたかもしれません。当たり前ですが、おもりが水に入った分、重くなるので正解はアとなります。問題をしっかり読んでいれば正解したはずです。大問8の凸レンズの問題ですが、変わった問われ方をしたので、できなかった人が多いと思います。大問8の1の凸レンズの焦点距離を求める問題ですが、グラフから、物体と凸レンズとの距離が、凸レンズとスクリーンとの距離と等しくなるのが、焦点距離の2倍の位置だと覚えていれば、グラフから30cmが導けます。これが焦点距離の2倍になっているので、焦点距離は半分の15cmと求めることができます。気がつかないとできませんので、できた人はあまりいないと思います。大問8の2の実像を選ぶ問題はできた人が多いと思います。Lの字を上下左右にひっくり返せばよいので、問題用紙をひっくり返してLと読めるエを選べば正解です。大問8の3の作図の問題ですが、Yの方はかけたと思いますが、Xの方はかいたことがない人がほとんどだとおもいます。Xの光もスクリーンとYの光があたる同じ場所にくることを知らないと書けない問題でしたので、Xの方を正解した方は少ないと思います。尚、完答とは指示されていないので、Yだけ正解の場合は部分点がつくはずです。大問8の4は、知っている人はできたと思います。作図から光の性質を理解できれば、物体のある1点から出た光は凸レンズを通ると同じ場所に集まることが推測できます。よって、上側半分を黒いシートでおおっても、下側半分の光が届くので、実像自体はうつるが、光の量が減るので、その分暗くなることが分かります。

 大問8の凸レンズの問題ができた人は80点を超えることができたと思いますが、今年は80点越えの人は昨年より少なくなると思います。今年の理科の平均点は昨年より低くなると予想します。

 

◎英語

 今年の英語は、昨年に比べて若干難しくなっている部分もありますが、解きやす問題だったと思います。

 

 大問2の1の(1)のlongと(2)のweatherはだいたいの人が正解したと思います。(3)はSakuraの発言で、「forty-eight percent of our class」(クラスの48%)とありますので、およそ半分の「half」が正解となります。大問2の2の対話文の(2)の方が若干難しかったと思います。大問2の3の並び替えの問題の(1)は原形不定詞の問題と気づけば、正解したと思います。(2)は間接疑問文の問題だと気づけば正解したと思います。並び替えの問題は昨年に比べれば難しくなったと思います。

 大問3は比較の表現に慣れている人にはわかりやすい問題だったと思います。今年も大問3の2は1行上の文を訳すだけなので、分かりやすかったと思います。3の内容に合うものを選ぶは、オは選べたと思いますが、ウは比較の文を正確に訳さないと選べない問題でした。

 大問4は4の(2)の疑問文に答えるためには、仮定法の「I wish I could.」(できたらいいのになあ。)の意味が分かれば、できなかったことが分かったはずです。大問4の6のII以外は分かりやすい問題だったと思います。大問4の6のIIはmakeを使って、誰かに何かをさせるという文を作らないという文を作らないといけなかったので、できなかった人が多いかと思います。

 大問5の自由英作文の問題は「どの季節に日本を訪れたらよいですか。その理由は?」という課題でしたので、書きやすかったと思います。

 今年の英語の平均点は昨年よりも若干低くなると思います。

 

  今年の入試は、特に実力テストで380点~430点を取っていた層の人は影響が大きかった思います。この層の人は、昨年までの入試問題では解けた問題が、今年は解けない問題になりましたので、実力テストの点数より20点程度低い点数になったのではないかと予測します。また、それ以外の層は、もともと解けていない問題が難しくなったので、影響は小さく、実力テストで300点~380点を取っていた層で10点程度の低下、430点以上の層と300点以下の層はあまり影響が出なかったと推測します。