令和8年度山形県公立高校入試問題難易度
◎令和8年度の山形県公立高校の入試問題についての雑感
はじめに
令和8年度入試から中間より上位の層が前期試験で合格して抜けていますので、平均点は下がるはずです。そのため、平均点については書いても意味がないので、各教科の得意な方の得点の目安を書いています。
今年の入試問題は昨年より全体的に易しいと思います。
◎国語
昨年と比べると、全体的に解きやすかったと思います。R5、R6の問題並みの易しい問題だったと思います。
国語が得意な方は80点以上とれたと思います。
◎数学
今年の数学は昨年に比べれば易しくなりましたが、大問3の一次関数の利用の問題ができ次第で点数差が出たのではないかと思います。
大問1は4の自然数の和の性質以外はできたかと思います。4の問題は連続する自然数を文字で表して考える問題です。連続する3つの真ん中の数をそれぞれx,2x,3x,4xとすると、連続する3つの自然数はx-1,x,x+1なり、3つの自然数の和は3x、連続する3つの2の倍数を2x-2,2x,2x+2とすると、3つの2の倍数の和は6x、連続する3つの3の倍数を3x-3,3x,3x+3とすると、3つの3の倍数の和は9x、連続する3つの4の倍数を4x-4,4x,4x+4とすると、3つの4の倍数の和は12xとなります。このうち、3xと9xはxが奇数のときは6の倍数にならないので不適、6xと12xはxの値に関わらず6の倍数になるので、イとエが正解となります。文字で表さなくても、例で挙げられる連続する3つの数をそれぞれ1個ずつずらして和を出して、6の倍数になるかどうか確認してもできます。
大問2は作図以外は易しかったと思います。1の(2)の問題は、まず点Aのy座標を求め、②の反比例のグラフの式y=4/xを出します。次に四角形ABCDは平行四辺形になるので、AB=CDとなることと点Aと点Bがy軸に対して線対称な関係になっていることから、AB=4より点Dがy軸上の点なので点Cのx座標4が求められます。x=4をy=4/xに代入して点Dのy座標1を求められます。3の文章題の問題ですが、18歳の有権者数をx人、19歳の有権者数をy人として連立方程式を作れば簡単に作れたと思いますので、3の(1)はできた人が多かったと思います。ただ、(2)が18歳の投票者数を求める問題なので、(1)の式をそのまま解いたx=580の値では有権者数になっているので不正解です。求めたx=580に55%をかけて、0.55×580=319(人)を求めます。これもできた人が多かったと思います。4の作図の問題は過去最も難しいの作図の問題でした。∠ACBの二等分線はかけたと思います。次の線分BCの垂直二等分線をひき、線分BCの中点を求め、点Aと結びます。結んだ線と∠ACBの二等分線の交点がPとなります。解答を見ても、なぜそれで△ABPと△ACPの面積が等しくなるのか分からないと思います。解説すると、線分BCの中点Mとすると△ABMと△ACMは底辺の長さがBM=CMで等しいので面積は等しいです。同様に△PBMと△PCMも面積が等しいので、△ABP=△ABM-△PBM,△ACP=△ACM-△PCMとなるので△ABPと△ACPが等しいことがわかります。等積変形の利用の問題なので、非常に難しかったと思います。ただ、理屈は分からなくても、なんとなく線分BCの中点を求めてできた人もいたかもしれません。
今年の大問3は駅伝の選手の位置関係の問題でした。表1の内容からグラフがかければ、ほぼ解けたと思いますが、グラフがかけなければ、1の(2)のアまたはイまでしかできなかったかもしれません。グラフのひき方は表1より10時9分と10時10分で距離の差が280mで変わっていないことに気がつけば、イが10であることがわかり、グラフの続き点(9,280)と点(10,280)を結びます。次に10時14分の時点でゴール地点からの距離の差が1760-1680=80(m)となっているので、点(14,80)を結べば完成します。グラフができれば1の(2)のウが求められますので、左側の問題は完答できた思います。次に2のエの分速を求める問題ですが、A中学校の6区の選手がの10時9分から10時10分の1分間で280m走っているので、分速280mであることがわかります。1の(2)のウの傾きが-50であるので、1分間でB中学校の6区の選手が毎分50mの速さでA中学校の6区の選手に近づいていることに気づけば、B中学校の6区の選手は分速330mであることがわかります。2のオの中学校の6区の選手がA中学校の6区の選手に追いついた時刻を求める問題は、1の(2)のウの式にy=0を代入してx=15.6の値を求めて、0.6分を秒に単位変換すると60×0.6=36(秒)が求まります。グラフができた人は大問3をほぼ完答できたと思います。
大問4の1の証明問題は今年も三角形の相似の証明でした。例年の証明問題と比べて分かりやす問題だったと思います。2の(1)は∠CADが直径CDの円周角なので△CADが直角三角形になることが分かれば、三平方の定理よりAC=4㎝が求められます。1の証明で△ABE∽△ACDより、AB:AC=AE:ADから、AE=9/4㎝を求めることができます。2の(2)は例年通り難しい問題でした。まず、△ABE∽△ACDより、AB:AC=BE:CDから、BE=15/4㎝を求めます。次に△ABEも直角三角形なので、△ABEの面積を求めると9/4×3÷2=27/8㎠となります。点Aから直線BDへ垂線をひき、垂線と直線BDとの交点をHとします。△ABEで底辺をBEとすると、高さがAHとなり、△ABEの面積が27/8㎠と求めているので、15/4×AH÷2=27/8の一次方程式を作り、AH=9/5cmを求めます。また、△ABHは直角三角形になるので、三平方の定理よりBH=12/5㎝が求めます。AB=ADより△ABDは二等辺三角形なので、BD=2BHより、BD=24/5cmとなります。ここで、△ABF≡△ADEだからBF=DEとなるので、BF=DE=BD-BE=24/5-15/4=96/20-75/20=21/20cmが求まります。
今年は大問2の作図と大問4の2の(2)以外はできたと思いますので、80点台の方は比較的いたと思いますが、90点を超えた方は少ないと思います。
◎社会
今年の社会は全体的に易しかったと思います。
大問2の日本地理の4の(2)の資料問題が今年の社会で最も難しかった問題だと思います。静岡県の県外への通勤通学者数と昼間人口と夜間人口の資料から読み取れることを問う問題でした。アは静岡県に隣接する県のうち、資料IIにある県は愛知県・神奈川県・山梨県の3県でその割合の合計は64%で、約42,000人の64%は20,000人を超えるので不適です。イは静岡県が夜間人口が7千人愛知県は昼間人口が8万7千人多いので、昼間人口と夜間人口の差は愛知県の方が大きいので不適です。ウは静岡県の夜間人口の方が多いということは静岡県から県外に昼間に出る人が多いということなので正解となります。エは関東地方の都県は東京都・神奈川県の2都県で割合の合計が55.5%となり、愛知県の33.7%の2倍以上になっていないので不適です。昼間人口と夜間人口の差の意味を理解しているかが問われた問題でしたので、できなかった人が多かったと思います。
その他では、大問3の4の(2)の朝貢、大問5の1の(2)の請願権、大問6の2の(1)の新興国あたりの語句問題が難しかったと思います。
社会の得意な方は80点を超えることができたと思います。
◎理科
今年の理科は全体的に易しかったと思います。
大問3の4の仮説が正しいか確かめる方法を選ぶ問題は悩んだと思います。仮説は湿度の違いで雲のでき方がどうなるかという意味なので、湿度だけの条件を変えた実験を選ぶ問題でした。そのため、イとウが正解となります。線香の煙がないと水滴ができにくいということに気がつけば正解できたと思います。
大問4の5の黒点の大きさが地球の何倍になるのかという計算問題です。太陽が地球の110倍の大きさとするので、110分の1の大きさが地球の大きさになります。太陽の像の大きさが11cmであることを見落とさなければ、11cmは110mmで、110mmの110分の1は1mmで、地球の大きさが1mmであることが分かります。黒点の大きさが3.3mmなので、黒点の大きさは地球の大きさの3.3倍となり、小数第1位を四捨五入すると3倍が正解となります。
大問5は3の固体のロウの密度を求める問題は難しかったと思います。。ロウの質量は46.4gで固体でも液体でも変わらないので、固体のロウの体積が分かれば固体のロウの密度を求めることができます。液体のロウを固体にロウにした後に水を117.8-108.6=9.2(g)入れると液体のロウの体積と同じになります。水の密度が1.00g/㎤なので、液体から固体になって減少したロウの体積が9.2㎤となります。そのため、固体のロウの体積は60-9.2=50.8(㎤)となり、求める密度は46.4÷50.8≒0.913≒0.91(g/㎤)が正解となります。
大問8の2の(2)の鏡に映る像の見え方の問題は青色・黄色・茶色の光の道すじを作図すると、赤色の点が黄色と茶色の間にあることがわかります。そのため、左から青色→黄色→赤色→茶色の順が正解になります。
理科の得意な方は80点を超えることができたと思います。
◎英語
今年の英語は、リスリング問題が昨年並み、長文問題は昨年に比べ読みにくかった思いますが、設問は6以外は易しかったので、時間があれば解けたと思います。英作文の問題は昨年同様25語以上という条件でしたが、質問が分かりやすかったので書けた方は多いと思います。その他の問題も易しかったので、全体的には易しかった問題と思います。
英語が得意な方は90点以上とれたと思います。
今年の入試はR6年度並みに易しかった問題だったと思います。
啓明教育研究会